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遭遇することになる。今回は、雨期が長引き貝生息地のほとんどが水没し我々が到達できない期間が至ったが、幸い短期間で水は引き、調査を実施することができた。雨期の直後のこともあり貝が流出された可能性も考えられ、今後の継続的な調査と対策が急がれる。
4. 住血吸虫症浸淫度評価のための野鼠の役割
本症の流行地に棲息する野鼠を捕獲し、剖検あるいは糞便中の虫卵を検査することにより、浸淫度合を評価できる可能性がある。今回、Malabo村より捕獲された11頭の野鼠を剖検したところ、3頭(27.3%)にそれぞれ18、10および7対の虫体が確認された。肝臓および小腸の病変もかなり認められ、糞便内虫卵数も1gあたり各90、76および12個が確認された。この結果から、野鼠を調査することにより本症の流行の状況、感染貝の存在、対策後の評価などの有用な情報が得られる可能性が示唆された。

 

 

 

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